今回のIDSについて感じたことは「主役不在のIDS」でした。
ここ10年ほどはマテリアル含めCADCAMが主役で毎回次世代のCADCAMと言えるような発表があったと思います。今回は全て予想の範囲を超えることがなかったです。それはCADCAMが成熟期に入りつつあるのではないかと思っています。
今回私がみた感じでは
<材料>
・PEEK材の強化型(強度を上げてる分、弾性は下がっています)と焼結型のメタル材料、それに伴う専用ファーネス、デンチャー用ミリング材料、BICON社のTrinia(日本では松風が取り扱い)からピンクタイプもでており、日本国内認可も降りているとのことなので近々松風からリリースされるかと思います。
デンチャー用の材料が多くでておりました。こちらはCADCAMデンチャー用の人工歯ライブラリーがそのうち各メーカーから提供される?(有償?)のではないかと思っています。
・トリニア(ピンク)
バイコン社曰く「研磨すればむき出しでも問題ない」との見解でした。
<CADCAM機器>
チェアサイドを見越した小型加工機、3Dプリンターが多くでていました。小型で金属加工も出来るものも多数みられました。また、加工の効率化ということで加工材料のオートチェンジャー機能、チャンジャーではなく、材料を一度に複数枚(3枚ほど)セットし順番に加工できるものなどもありました。複数枚セットできるものを見てその昔ポーセレンファーネスでも焼成台のオートチェンジャータイプがあったのを思い出しましたね(笑)
オーラルダイレクトスキャナーからの流れを組み、院内で完結するということです。小型プリンターも置きチェアサイドでサージカルガイドを製作するというコンセプトを出してる会社もありました。(可能ですが現実的ではないですね)
小型化といえばレーザーシンタリングも大幅に小型化がすすんでいました。こちらはかなりの進歩で2年後には導入も現実的な大きさ・価格になる期待感がありました。
オーラルダイレクトスキャナーも主要メーカーからは出揃ったように感じました。今回はGCからも自社開発のものがほぼ完成型で出展されていました。ただ3Shape Triosが圧倒的で今回ワイアレスも出していました。タイムラグなく撮影速度、転送速度共に完璧でした。主要メーカーのオーラルダイレクトスキャナーを真似る新参会社などが多数でていましたので日本と違いこちらも海外では当たり前の機器になっています。
・ストローマンのオーラルスキャナー持ち運びを意識してですかね?
・イボクラは、チェアサイド型加工機を発表
その他中型加工機も3機種発表(メタル加工もできます)
・3Shapeの新型スキャナー(Dシリーズの下位の位置づけのようです。)
3Shapeは咬合器スキャンはおこなわず、専用プレートを使用して咬合器の状態をトランスファー
・3ShapeのCT、CADCAM
メーカー出展で、これまでの概念を覆すのではと期待してます
・憧れの加工機"DATRON"
レーザーシンタリングとミリングを組合わせた「ハイブリッド加工対応機」
アンダーカットのあるフレーム部はレーザーシンタリング
精度が要求されるインプラント勘合部はミリング
・前回のIDSで話題になったレーザー加工機
担当者は今年の夏にはテスト稼動したいといってましたが!ほんとかな?
関心を引いたのは2点
1点目は、Core3D、zfx、TEAMZIEREISなど欧州のミリングセンターがストローマンなどに匹敵する広いブースを出していたことに今後の流れを感じました。
3社はミリングセンターは加工事業から始まったものの、その後独自で既存のCADCAMを組み合わせて、ライブラリーなど含め自社用にセットアップしたパッケージ商品を販売しています。このパッケージを購入すれば自分たちと同じようなことができますと、またCADCAMのノウハウがしっかりありますので、パッケージ購入者とコンサルティング契約を締結ししっかりとしたサポートを行っています。パッケージの内容も重要ですが、導入後のサポートがしっかりしていることが、市場が大きい欧州ではうけています。特に欧州では国によってはまだまだCADCAMってなに?っていうような国も多くあるので、まだまだ潜在的市場が大きく、このビジネスは大きくなると感じました。
2点目は 「Formlab」です。ブースは人の山www 。次の3Shapeになるのではと、期待があります。 3Shapeも少し前までちーさなブースでしたが、一気にどでかいブースを出せるくらい爆発的な生長をした会社です。Formlabも、今後3Dプリンターで革命をこすんではないかと期待しています。弊社も1台導入検討していますw
余談ですが、オランダ経由で日本に帰るはずが、まさかの入国時に入国スタンプをパスポートに押し忘れられてて「おまえどこからヨーロッパ入ってきたんだ?!」みたいになり足止め・・・(こんなことあります?スタンプ押さへんねんやーって気にはなってましたが・・・)幸い手元に往路のチケットがあったのでそんなに長いこと止められず予定通り帰国することが出来ました。
まだまだ、ネタや写真ありますので、続編あるかもしれませんw