IDS2017

1-エントランス.JPG

今回のIDSについて感じたことは「主役不在のIDS」でした。
ここ10年ほどはマテリアル含めCADCAMが主役で毎回次世代のCADCAMと言えるような発表があったと思います。今回は全て予想の範囲を超えることがなかったです。それはCADCAMが成熟期に入りつつあるのではないかと思っています。
今回私がみた感じでは

<材料>
・PEEK材の強化型(強度を上げてる分、弾性は下がっています)と焼結型のメタル材料、それに伴う専用ファーネス、デンチャー用ミリング材料、BICON社のTrinia(日本では松風が取り扱い)からピンクタイプもでており、日本国内認可も降りているとのことなので近々松風からリリースされるかと思います。
デンチャー用の材料が多くでておりました。こちらはCADCAMデンチャー用の人工歯ライブラリーがそのうち各メーカーから提供される?(有償?)のではないかと思っています。

PEEK pink.JPG
・強化型ピーク材料

cobalt disk.JPG
・焼結型コバルトクロム
専用の焼結ファーネスが必要

dencha3.JPG

デンチャーミリング.JPG

デンチャー1.JPG
・ミリング用デンチャー材料

トリニアピンク.JPG
・トリニア(ピンク)
バイコン社曰く「研磨すればむき出しでも問題ない」との見解でした。

<CADCAM機器>
チェアサイドを見越した小型加工機、3Dプリンターが多くでていました。小型で金属加工も出来るものも多数みられました。また、加工の効率化ということで加工材料のオートチェンジャー機能、チャンジャーではなく、材料を一度に複数枚(3枚ほど)セットし順番に加工できるものなどもありました。複数枚セットできるものを見てその昔ポーセレンファーネスでも焼成台のオートチェンジャータイプがあったのを思い出しましたね(笑)
オーラルダイレクトスキャナーからの流れを組み、院内で完結するということです。小型プリンターも置きチェアサイドでサージカルガイドを製作するというコンセプトを出してる会社もありました。(可能ですが現実的ではないですね)
小型化といえばレーザーシンタリングも大幅に小型化がすすんでいました。こちらはかなりの進歩で2年後には導入も現実的な大きさ・価格になる期待感がありました。
オーラルダイレクトスキャナーも主要メーカーからは出揃ったように感じました。今回はGCからも自社開発のものがほぼ完成型で出展されていました。ただ3Shape Triosが圧倒的で今回ワイアレスも出していました。タイムラグなく撮影速度、転送速度共に完璧でした。主要メーカーのオーラルダイレクトスキャナーを真似る新参会社などが多数でていましたので日本と違いこちらも海外では当たり前の機器になっています。

トリオス.JPG
・3Shape Trios  転送速度などの遅延もなし!

GC.JPG
・GCのオーラルスキャナー

Dental wings.JPG
・ストローマンのオーラルスキャナー持ち運びを意識してですかね?

ジルコンザーン.JPG

amann.JPG amann2.JPG
・ジルコンザーンとギルバッハのブースは常に人だかり

プログラ1.JPG
・イボクラは、チェアサイド型加工機を発表
 その他中型加工機も3機種発表(メタル加工もできます)

3SP.JPG
・3Shapeの新型スキャナー(Dシリーズの下位の位置づけのようです。)
3Shapeは咬合器スキャンはおこなわず、専用プレートを使用して咬合器の状態をトランスファー

3S-CT1.JPG
・3ShapeのCT、CADCAM
メーカー出展で、これまでの概念を覆すのではと期待してます

changer.JPG
・ディスクチェンジャー

printer changer.JPG
・造形ステージ用チェンジャーがついている3Dプリンター

3連.JPG
・ディスクを一度に、3枚セット可能

3ren lazer.JPG
・一度に、3ヶ所でメタル造形が可能なレーザーシンタリング

IMG_2470.JPG

IMG_2469.JPG
・憧れの加工機"DATRON"
レーザーシンタリングとミリングを組合わせた「ハイブリッド加工対応機」
アンダーカットのあるフレーム部はレーザーシンタリング
精度が要求されるインプラント勘合部はミリング

レーザーミリング.JPG れーざーみりんぐ2.JPG
・前回のIDSで話題になったレーザー加工機
担当者は今年の夏にはテスト稼動したいといってましたが!ほんとかな?

Bausch.JPG
・咬合紙一本で勝負するBauschは男気溢れていました

関心を引いたのは2点
1点目は、Core3D、zfx、TEAMZIEREISなど欧州のミリングセンターがストローマンなどに匹敵する広いブースを出していたことに今後の流れを感じました。
3社はミリングセンターは加工事業から始まったものの、その後独自で既存のCADCAMを組み合わせて、ライブラリーなど含め自社用にセットアップしたパッケージ商品を販売しています。このパッケージを購入すれば自分たちと同じようなことができますと、またCADCAMのノウハウがしっかりありますので、パッケージ購入者とコンサルティング契約を締結ししっかりとしたサポートを行っています。パッケージの内容も重要ですが、導入後のサポートがしっかりしていることが、市場が大きい欧州ではうけています。特に欧州では国によってはまだまだCADCAMってなに?っていうような国も多くあるので、まだまだ潜在的市場が大きく、このビジネスは大きくなると感じました。
2点目は 「Formlab」です。ブースは人の山www 。次の3Shapeになるのではと、期待があります。 3Shapeも少し前までちーさなブースでしたが、一気にどでかいブースを出せるくらい爆発的な生長をした会社です。Formlabも、今後3Dプリンターで革命をこすんではないかと期待しています。弊社も1台導入検討していますw

Teamziereis.JPG IMG_2458.JPG
・Core3D, TEAMZIEREIS

formlab.JPG フォームラボ1.JPG
・Formlab

余談ですが、オランダ経由で日本に帰るはずが、まさかの入国時に入国スタンプをパスポートに押し忘れられてて「おまえどこからヨーロッパ入ってきたんだ?!」みたいになり足止め・・・(こんなことあります?スタンプ押さへんねんやーって気にはなってましたが・・・)幸い手元に往路のチケットがあったのでそんなに長いこと止められず予定通り帰国することが出来ました。

2019.JPG

まだまだ、ネタや写真ありますので、続編あるかもしれませんw

Geo Furnace

今回は弊社で導入しているジルコニアファーネスのご紹介です。現在3台のファーネスを焼成品(ジルコニア)の内容によって使い分けています。

9e2317ad8b7b93c6c778db210f99dd94730b25bf.JPG

<導入ファーネス>
mihm HTスピード 2台 (名南貿易)
Geo ファーネス  1台 (ジオメディ)

元々HTスピード2台で使い分けをしていました。ミリング後のジルコニアをそのまま焼成する場合と、焼成前の着色リキッドをジルコニアへ着色して焼成する場合とでファーネスを分けていました。分けることで着色リキッドの色が一緒に焼成するジルコニアへ影響することを防止、また着色リキッドでの焼成はマッフルを痛めることもありファーネスを使い分けています。
HTスピードは一番大きなサイズのファーネスですが、フルマウスのような大きなケースがある場合は焼成ステージの大半をフルマウスのジルコニアが占めるため、一度に全てのジルコニアを焼成することが出来ないことがありました。焼成スケジュールが異なるジルコニアも使用しているので、その場合もファーネスを別にする必要があるので2回に分けることになります。

焼成スケジュールが異なるのは特に作業的に厄介ですね・・・

ジルコニアの焼成はざっくりですが開始から完了までだと8~10時間ほどかかり、2回に分けて焼成するということは製作日数が1日遅くなってしまうということになります。また、ジルコニアフレームの製作は100%の確率で成功するわけでなく、スキャニング、加工、焼成などで偶発的にエラーが生じて再製になる場合もあり、1日をロスすることはかなりの負担になっていました。そこで新たにファーネスの増設を決めました。
HTスピードをまた増設となるとかなりの費用となるうえ、そもそもそこまでのファーネスはこれ以上いらないので、少し小型のものを探していました。そのタイミングで株式会社ジオメディから発売されたのが"Geoファーネス" 小型で100V仕様、スケジュール登録も4パターン可能、価格は定価で120万!!サイズ的にフルマウスなど大型のケースは焼成できませんが、セカンド、サードファーネスにこれ以上ない条件w 少数歯のジルコニアをまとめて焼成するのが一番の目的でしたのでこれなら申し分ないと思い即導入しました。
使用した感想は"良く焼ける! 予想以上の数を一度に焼成できる!"導入して正解でしたw
既に1台お持ちで2台目を検討されているならほんとおすすめのファーネスです。

<お問い合わせ>
株式会社ジオメディ
Tel : 092-409-4050
mail : info@geomedi.co.jp

IMG_2013.JPG

操作はタッチパネル

IMG_1207.JPG

焼成皿は2段積みまで可能

IMG_1209.JPG

30歯以上を1回に焼成可能

余談ですが、ジルコニアを焼成してジルコニアが黄色く黄変する時が稀にあります。これはファーネスのヒータエレメントに使用されているモリブデンが黄変する雰囲気を作ってしまうことが原因のようです。その回避方法としてはこまめにパージング(高温での空焚き)を定期的にすることで回避することができます。ヒーターエレメントを新品に交換するという手もありますが、HTスピードのような大型だと100万近く費用がかかるそうです・・・・(汗)
以前と違いジルコニアファーネスも様々なものがでてきて普及が進んでいますが、購入の際は修正費用などアフターサービスも考慮したほうがいいですね。ジルコニアを製作する際には必ず必要となる機器ですので代品などの有無は特に重要なところです。

2018年6月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近の記事

アイテム

  • れーざーみりんぐ2.JPG
  • れーざーみりんぐ2.JPG
  • れーざーみりんぐ2.JPG
  • れーざーみりんぐ2.JPG
  • レーザーミリング.JPG
  • れーざーみりんぐ2.JPG
  • レーザーミリング.JPG
  • amann.JPG
  • 2019.JPG
  • フォームラボ1.JPG

カテゴリ

ウェブページ

Powered by Movable Type 6.2.4